英政府は24日、バッテリー技術の開発を促すため、向こう4年で総額2億4,600万ポンドを投資するプロジェクト「ファラデー・チャレンジ」に着手した。第1弾としてバッテリー技術の経済性向上に向けた研究プロジェクトに4,500万ポンドを投じるほか、電気自動車(EV)向けバッテリーの研究開発(R&D)にも資金を提供する。
ファラデー・チャレンジは、メイ首相が1月に発表した欧州連合(EU)離脱後に向けての新産業戦略の一環。企業や学界を対象にバッテリー技術の研究開発プロジェクトのコンペティションを実施し、資金を提供する。第1弾として、政府と自動車業界の共同出資により低排出エンジンの開発を目指す「先進推進センター(APC)」を通じて、バッテリーの経済性向上や普及に向けた仮想研究所を設置。バッテリーの充電・使用回数の増加やサイズの縮小、容量の拡大などに取り組むプロジェクトを募集し、4,500万ポンドを提供する。
また民間企業・エネルギー・産業戦略省は、EV向けの新バッテリー技術の研究開発プロジェクトに総額3,000万ポンドを、またフィージビリティスタディー(実現可能性調査)に総額1,000万ポンドを提供する。さらに、英国政府系研究機関である工学・物理科学研究評議会(EPSRC)が7,800万ポンドを提供し、英国のバッテリー技術のR&D拠点となる仮想研究所を設置する。
各種コンペティションを統括するファラデー・チャレンジ理事会のトップには、自動車業界出身で英自動車評議会の議長も務めたリチャード・パリージョーンズ氏が就任する。
クラーク民間企業・エネルギー・産業戦略相は「エネルギー貯蔵技術の研究、開発、応用、製造を束ねることにより、エネルギー産業と自動車産業の双方に大きな機会を提供できる」と話している。[環境ニュース]
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