独高級車大手BMWは、「ミニ」ブランドの電気自動車(EV)モデルを英イングランド南東部のオックスフォード工場で生産する可能性が濃厚なようだ。英国の欧州連合(EU)離脱後も、従来通り同国を「ミニ」の生産拠点とする方針とみられる。消息筋の話を元に、ロイター通信が19日夕伝えた。
「ミニ」の年産台数は36万台で、現在はそのうち約60%がオックスフォード工場で組み立てられている。ただ、2019年の市場投入を目指すEV版については先に、ブレグジットを見据えドイツ南部バイエルン州のレーゲンスブルク(Regensburg)か東部ザクセン州ライプチヒで生産するか、「ミニ」の生産を請け負っているオランダのVDLネッドカーに委託する可能性があると報じられていた。
消息筋によると、EV版の「ミニ」には、BMWの独バイエルン州ディンゴルフィング(Dingolfing)およびランツフート(landshut)の工場で生産した電気モーターや部品、電池を使用する。このため同社はオックスフォード工場に投資する条件として、これらの部品をドイツから調達する際の関税を、EUに輸出される完成車については帳消しとするよう英政府に求めており、ここへきて交渉のめどが立ったという。同社はEV版「ミニ」の製造拠点を9月に正式に決定し、同月に開かれるフランクフルト国際モーターショーで発表する見通し。
英民間企業・エネルギー・産業戦略省はコメントを辞退している。オックスフォード工場は4,600人を雇用する。「ミニ」はかつて存在したブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が生んだ大衆車。BMWが1994年、BMCを傘下に収めていた英ローバーを買収し、「ミニ」を取得した。[環境ニュース][M&A]
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