ドイツ南部のバイエルン州政府は18日、自動車からの大気汚染物質排出量の低減に向けた一連の措置を発表した。旧型のディーゼル車について、メーカーが窒素酸化物(NOx)の排出削減に向けたソフトウエアの更新を行うほか、州政府が排出量の少ない最新のディーゼル車への買い替えを支援する内容。同州では一部の都市がディーゼル車の禁止を検討しているが、州政府はこれに同調しない姿勢を示した格好だ。
ソフトの更新は欧州連合(EU)の旧排ガス基準「ユーロ5」に準拠する車両が対象で、オーナーのコスト負担はゼロ。同州は7月初め、州内に本社を置く独高級車大手BMWおよび自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディと、「ユーロ5」車両の少なくとも半数についてソフトの更新を行うことで合意していた。両社はただちにソフト更新の準備に着手する。
また、最新の排ガス基準「ユーロ6」に適合したディーゼル車の販売促進に向け、税優遇措置の導入や、「ユーロ4」以前のディーゼル車のオーナーを対象とした買い替え促進策を検討する。このほか公共交通機関や電気自動車(EV)の利用促進策に加え、自転車専用道の整備にも取り組むとしている。
同州のミュンヘン市は6月、一部ディーゼル車の禁止を検討していると報じられていた。
■ポルシェ、ディーゼル車から撤退も
VWの高級スポーツカー部門ポルシェは、新型ディーゼル車の販売を終了するかどうかを2019年末までに決定する方針だ。ドイツの自動車メーカーがディーゼル車からの撤退に言及するのはこれが初めて。オリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)の話として、ロイター通信が19日伝えた。
同CEOは、向こう10~15年は内燃エンジン車とプラグイン・ハイブリッド車(PHV)、バッテリー式EVを取り混ぜて販売する一方、ディーゼル車の将来的な方針については2019年末までに決断するとしている。情報筋によると、同社はディーゼル車の開発を全面的に打ち切る可能性もある。ディーゼル車はポルシェの世界売上高の15%を占める。[環境ニュース][EU規制]
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