欧州人権裁判所は11日、イスラム教の女性が顔を覆うベールを着用することを禁じたベルギーの法律を支持する判決を下した。
ベルギーでは2011年6月、公共の場で顔の一部または全体を覆うベールの着用を禁止する法律を施行。しかしニカブの着用にこだわるイスラム教徒の女性2人が、思想、良心、宗教や表現の自由を定めた欧州人権条約に違反するとして欧州人権裁判所に提訴していた。
同裁判所は今回、ベルギーの法律は、異民族の「共存」や「他の人々の権利や自由の保護」を目的としたもので、「民主的社会に必要」なものと判断。差別には当たらないとして原告の訴えを退けた。女性らは今後も公然とベールの着用を続けた場合、罰金か最長7日間の禁固刑を科される可能性がある。
同裁はフランスの同様の法律を巡っても、欧州人権条約に違反しないとして、2014年に仏政府の立場を支持する判決を下した経緯がある。
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