英メディア大手ピアソンは11日、共同出資する出版事業ペンギン・ランダムハウス(米国)の株式22%を、同社の過半数株を保有する独総合メディア大手ベルテルスマンに売却することで合意したと発表した。取引額は約10億ドルで、ペンギン・ランダムハウスの企業価値を35億5,000万ドルと見積もった水準。
取引後の出資比率はベルテルスマンが75%を保有する。ピアソンが25%となる。手続きは9月に完了する見込み。ピアソンは少なくとも18カ月間は残り株を売却しない。
ピアソンは近年、中核事業である教育分野に注力しており、2015年に経済紙「フィナンシャルタイムズ(FT)」を発行する傘下のFTグループを日本経済新聞社に、経済誌「エコノミスト」を発行する傘下のエコノミスト・グループの株式50%をイタリアの投資会社エクソール(Exor)に売却した。
ただ、2016年12月期の営業利益(特別損益除く)が6億3,500万ポンドとなり、継続事業・恒常為替レートベースで前期比21%減少。昨年1月に着手した事業再編計画に沿ってコスト削減を進めているものの、売り上げの不振を補うには至らなかった。
ペンギン・ランダムハウスは2013年に、ベルテルスマン傘下のランダムハウスと、ピアソン傘下のペンギン・グループが統合して設立された。[M&A]
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