米司法省は6日、排ガス不正問題を巡り、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディの元幹部を起訴したと発表した。米国での排ガス試験を欺くソフトを設計するよう従業員に指示したとして、詐欺行為の共謀罪、通信詐欺、大気浄化法違反の罪に問われている。
起訴されたのはイタリア国籍のジョバンニ・パミオ被告で、ドイツにあるアウディのディーゼルエンジン開発部門で熱力学担当責任者だった。同被告は、2006年から2015年11月までディーゼル車の窒素酸化物(NOx)を含めた排出基準を満たすため、米国市場向けの排ガス制御システムの設計を担うエンジニアを統括していた。
米司法省が明らかにした内部告発によれば、アウディのエンジニアは排ガス制御システムが米国の大気浄化法に違反していることを警告したものの、パミオ被告は警告を無視して部下に対して米規制当局に虚偽の情報を伝えるよう命じていたという。
なお南ドイツ新聞によると、ドイツの捜査当局も排ガス不正問題に絡みアウディの元幹部を逮捕した。ドイツでこの問題を巡り逮捕者が出るのは初となる。氏名などは明らかにされていないものの、現地メディアなどによるとパミオ氏とみられている。
VWは米国での排ガス不正問題で有罪を認め、4月には28億ドルの罰金支払いを命じられている。
■世界販売台数、6月は1%増加
アウディは7日、6月の世界販売台数が17万650台となり、前年同月比1%増加したと発表した。
地域別では、欧州が8万300台と2.1%拡大。うち足元のドイツは1.1%増加した。英国は4.7%増え、イタリアとスペインはそれぞれ9%、2.2%伸びた。一方、フランスは0.9%減少している。
1~6月の累計販売台数は世界全体で90万8,950台と、前年同期と比べて4.7%減少している。[環境ニュース]
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