英決済サービス大手のワールドペイ(Worldpay)・グループは5日、クレジットカード技術を手掛ける米バンティブ(Vantiv)に身売りすることで基本合意したと発表した。取引額は、ワールドペイの企業価値を77億ポンドと評価した水準で、バンティブは負債の引き受け分を含めて91億ポンドを支払う。
ワールドペイは4日、バンティブと米投資銀行JPモルガン・チェースからそれぞれ買収の打診を受けたと発表。買収合戦に発展する可能性もあるとみられていたが、JPモルガンは翌日、買収提案を行うつもりはないと明らかにしていた。
ワールドペイの株主は、1株当たり55ペンスとバンティブの株式0.0672株を受け取り、新会社の約41%を保有する格好となる。
統合後の新会社は、ワールドペイのフィリップ・ジャンセン最高経営責任者(CEO)とバンティブのチャールズ・ドラッカーCEOが共同CEOに就任し、現在、両社がそれぞれ本社を置くロンドンと米オハイオ州シンシナティの2本社体制を取る。
ワールドペイは 1989年の設立。2010年に親会社だった英金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)から米投資会社アドベント・インターナショナルとベイン・キャピタルの手に渡った後、2015年10月にロンドン証券取引所(LSE)に上場した。上場当時の時価総額はおよそ48億ポンド。現在は1日当たり平均3,100万件の決済を処理しており、世界11カ国25拠点で約5,000人の従業員を抱える。[M&A]
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