40年以上にわたり分断状態が続く南北キプロスの再統合に向けた和平交渉が28日朝、ジュネーブで再開された。両者の協議は5月に中断しており、約2カ月ぶりの交渉再開となった。ロイター通信などが伝えた。
キプロス共和国のアナスタシアディス大統領と北キプロス・トルコ共和国のアクンジュ大統領は前回の協議で、英国とトルコ、ギリシャが参加する会議の様式をめぐって意見が対立し、交渉は行き詰まっていた。これを受け、両大統領は先に、米ニューヨークでグテレス国連事務総長と会談し、事態打開を図ることで一致。今回もトルコのチャブシオール外相やギリシャのコジアス外相、国連公使、欧州連合(EU)代表者がオブザーバーとして出席したが、英国のジョンソン外相はこの日の交渉を欠席している。
仲介役を務めるエスペン・バート・アイデ国連特使は27日、「交渉は最良の機会」としたものの、最終的な合意に至るには時間がかかるとの見方を示した。交渉では、キプロス島の北側に駐留するトルコ軍撤退などが主な争点となっている。
キプロスは1960年に英国から独立。1974年にギリシャとの統合を望むギリシャ系勢力がクーデターを起こすと、トルコ系住民の多い北部はトルコ軍に占領され、1983年に独立を宣言した。しかし北キプロスはトルコ以外の国からは国家として承認されておらず、南部のキプロス共和国だけが国連やEUに加盟している。
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