米ソーシャルメディア大手フェイスブック(FB)は23日、英国でヘイトスピーチ対策のイニシアチブに着手した。地元組織・団体と提携し、暴力的過激主義の拡散阻止を図る。BBC電子版などが伝えた。
FBは先に、同社のサイトからテロ関連の内容を削除するなどの反テロ対策を発表。その1つの「オンライン・シビル・カレッジ・イニシアチブ」では、欧州の反ヘイト・反過激化に取り組む100団体と連携し、ワークショップを開催。FBはまた、人工知能(AI)システムなどの技術を駆使してテロリストのプロパガンダを発見し、世界中の反テロ専門家などと協力して過激派によるコンテンツを削除する試みを進めている。
英国では、イマーム(イスラム教の宗教指導者)向けサイト「イマーム・オンライン」や、昨年6月に英国の欧州連合(EU)残留支持を表明して、極右思想を持つ男に殺害されたジョー・コックス労働党議員の意思を継いで活動する「ジョー・コックス財団」などとパートナーを組む。メイ首相はロンドンなどで頻発したテロを受け、テロリストのオンライン上の温床根絶に向けた規制を巡り、国際的な合意が必要と訴えている。
なおドイツ政府は4月、ヘイトスピーチなどの投稿を削除しない場合に、FBなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に最大5,000万ユーロの罰金を科すなどの内容を盛り込んだ法案を閣議承認した。実現すれば、ヘイトスピーチをめぐる明確な法的ガイドラインが導入されるのは欧州初となる。
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