ルーマニア議会は21日、グリンデアヌ首相に対する不信任動議を可決した。賛成票は241票に達し、可決に必要だった233票をかろうじて上回った。動議は、同首相が所属する与党・社会民主党(PSD)の議員が提出したもので、必要な経済改革を実行しなかったと糾弾している。BBC電子版などが伝えた。
今後はPSDが新首相候補を選出し、ヨハニス大統領から承認を得る必要がある。同大統領との会談は26日に予定されている。
グリンデアヌ首相は1月末、汚職で収監された一部高官を釈放する緊急令を発令し、大規模な抗議デモを引き起こした。その後、緊急令は撤回されたものの、首相の求心力も急速に低下。2月には最大野党の国民自由党(PNL)と新党のルーマニア救出同盟(USR)が内閣不信任案を提出したが、PSDとこれを支持する自由民主同盟(ALDE)が棄権し否決されていた。
問題の緊急令は、汚職による収監は損失額が4万4,000ユーロ以上に上る場合に限るとし、これを下回る場合は収監者を釈放するという内容。これにより恩恵を受けるとみられていたPSDのドラグネア党首と首相の関係が悪化したことも、今回の事態を招いた一因とされている。なお同党首は、選挙違反で有罪が確定し執行猶予にあることから首相にはなれない。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。