切手取引の老舗スタンレー・ギボンズは12日、身売りを決めたことを明らかにした。有望市場の中東・アジアでの事業拡大に向け、より大規模な投資が必要と判断したため。既に英投資銀行フィンキャップ(finnCap)をアドバイザーに指名し、グループの一部または全部の売却を含めた事業の見直しを進めているという。
スタンレー・ギボンズは近年、ワイン・骨董品取引や美術・家具取引を手掛ける企業、オンライン競売サイトを相次いで買収したものの、いずれも不振で負債だけが膨らんでいる。過去1年半で何度も利益見通しを引き下げる一方、1,300万ポンドの増資や経営トップの入れ替えを実施。同社は今回、「新経営陣の下で年1,000万ポンドのコスト削減や総額630万ポンドの資産売却を実現した」と説明している。
スタンレー・ギボンズは創業161年を誇る世界最古の切手商。ロンドンに本店を置くほか、香港とシンガポールにも支店を持つ。4月にはインドの故マハトマ・ガンジー氏の写真をあしらった4枚組切手を50万ポンドで販売し、切手取引で世界最高額を記録した。
なお、同社は先に英投資会社ディスラプティブ・キャピタル・ファイナンスから買収の打診を受けたと発表したが、ディスラプティブはこの日、買収提案を行うつもりはないと明らかにしている。[M&A]
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