セルビアから独立を宣言したコソボで11日、議会(一院制、定数120)の投開票が行われ、ハシム・サチ大統領が率いる中道右派の野党・コソボ民主党(PDK)による政党連合が勝利する見通しとなった。ムスタファ首相率いる与党・コソボ民主同盟(LDK)の連合は3位となる見込み。
開票率70%の段階でPDK連合の得票率は34.3%、2位は「自己決定運動」(VV)で26.3%、LDK連合は25.8%となっている。投票率は41.5%と過去3回の選挙で最低だった。ムスタファ首相は5月、不信任案が可決されたたため議会を解散して総選挙に踏み切っていた。
PDK連合の首相候補は、連合の一員であるコソボ将来同盟(AAK)を率いるラムシュ・ハラディナイ党首だが、同氏はコソボ紛争時の旧コソボ解放軍の指導者で、独立前の2004年にはコソボ自治州の首相を務めたことがある。しかし紛争中の戦争犯罪の疑いでハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷で起訴され、判決では無罪となったもののセルビアはこれを認めていない。このため同氏が首相に就任すれば、セルビアとの間で緊張が高まる懸念がある。
コソボは2008年に独立を宣言し、すでに米国など約100カ国が承認しているものの、セルビアやロシアなどは独立を認めていない。新政権の課題は、30%に達する失業問題に加えてセルビアとの関係改善となっている。
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