フランス南西部で猛威をふるっていた鳥インフルエンザが終息し、アヒルとガチョウの商業飼育が29日、6週間ぶりに再開した。農業・農産加工業・林業省が発表した。農家にとって先行きは険しいようだ。
フランスでは昨年12月、南西部タルヌ(Tarn)県のアヒル農場から高病原性H5N8型の鳥インフルエンザウイルスを検出。流行は今年3月まで続き、フォアグラ生産地の南西部を中心に485件の感染例が見つかった。同省は被害地域の早期回復に向け、ジェール(Gers)、オートガロンヌ(Haute-Garonne)、ランド(Landes)、ピレネーアトランティック(Pyrernees-Atlantiques)、オートピレネー(Hautes-Pyrenees)の5県に対し4月17日から5月28日まで休閑するよう命令。今回は家禽(かきん)計450万羽が殺処分されたほか、750万羽の生産が中止されたため、計1,200万羽を失った格好となる。
仏フォアグラ生産者委員会(CIFOG)によると、今回の鳥インフル流行による損失額は3億5,000万ユーロが見込まれ、数カ月にわたり生産が滞った2016年の2億7,000万ユーロを上回る。今年最初のフォアグラが市場に出回るのは8月後半か9月初めで、価格上昇が予想される。生産農家にとっても、新たな洗浄機器や野生の鳥からの感染防止に向けた保護用品の導入が大きな負担となりそうだ。
ロイター通信によると、フランスの2016年のフォアグラ輸出額は8,500万ユーロと、2015年の1億400万ユーロから大きく減少。今年も前年並みにとどまるとみられる。
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