オランダのルッテ首相率いる中道右派・自由民主党(VVD)などによる連立政権樹立に向けた協議で、新たに連立候補となったキリスト教連合(CU)を加えた4党間の交渉が23日、破談した。下院(定数150)選挙から既に2カ月以上が経過しているが、政権樹立に黄信号がともっている。ブルームバーグが伝えた。
VVDは3月に行われた下院選挙で33議席を確保し第1党に立ったものの、過半数には遠く及ばず他党との連立が必要となった。政策的に近いキリスト教民主同盟(CDA)および民主66党(D66)との連立は確定しているものの、3党合わせても71議席にとどまっており、政権樹立には4党連立が必須となっている。先には、グリーンレフト(GL)との連立交渉を行ったが、より寛大な難民政策を訴えるGLと、移民規制の強化を打ち出す他の3党との溝が埋まらず、決裂。CUは連立政権樹立に向けた「最後の選択肢」とみられていたが、より保守色の強いCUと、政策面で折り合わなかった。
なお、議会第2党で移民排斥やEU離脱を訴える極右・自由党(PVV)はかねて、連立政権への参加に意欲を見せているが、VVDはPVVとの連立は完全否定している。
オランダではこれまでも連立交渉をまとめるのに平均3カ月かかっており、過去最長記録は1977年の208日。
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