スイスの保険大手チューリッヒ・インシュアランス・グループは、傷害保険の請求審査で人工知能(AI)の活用を開始した。試験展開の結果、1件当たりの処理スピードは1時間からわずか5秒に短縮されたという。トム・デ・スワーン会長の話として、ロイター通信が伝えた。
同社は3月に医療記録などの審査にAIを導入。これにより4万時間分の労働時間が節約できたとしている。またAIの学習機能により、処理を重ねるごとに審査の精度も向上しているという。こうした成果を踏まえ、デ・スワーン会長はAIの活用拡大に強い意欲を示している。
保険業界ではこのところ、ビッグデータやAIを業務に役立てる動きが加速。富国生命保険が今年1月から審査担当者34人分の作業をAIに置き換え、年間1億4,000万円相当の人件費を節約した。また英アビバも現在、AIの導入を検討している。
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