欧州連合(EU)域内で、食品廃棄量が最も多いのはオランダ――。こうした事実が、欧州議会が15日発表した報告書で明らかになった。
それによると、EUの2012年の食品廃棄量は推定8,800万トンと、市民1人当たり173キログラムの食品を廃棄していることが分かった。うち53%は家庭からの破棄で、食品加工過程(19%)や飲食業界(12%)における廃棄量を大きく上回っている。
2010年の食品廃棄量を国別に見ると、オランダは国民1人当たり541キログラムと、2位のベルギー(345キログラム)に大差をつけて首位。このほか、キプロス(327キログラム)、エストニア(265キログラム)、ポーランド(247キログラム)、英国(236キログラム)も多かった。
一方、国民1人当たりの食品廃棄量が最も少ないのはスロベニアで72キログラム。ルーマニアとマルタ(ともに76キログラム)やギリシャ(80キログラム)、チェコ(81キログラム)なども廃棄量が少なかった。
なお、世界全体を見ると、食品の年間廃棄量はおよそ13億トンに上り、全体の約3分の1が廃棄されている計算となる。国際連合食糧農業機関(FAO)によると、食品1キログラムの生産に伴う二酸化炭素(CO2)排気量は約4.5キログラムで、うち食品廃棄に伴う排気量は、人間由来の排気量全体のおよそ8%に及ぶ。EUに限ると、食品破棄によるCO2排気量は年間1億7,000万トン。欧州議会は現在、2030年までに食品廃棄量を半減するための施策に取り組んでいる。[環境ニュース][EU規制]
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