チェコのソボトカ首相は、バビシュ財務相の後任候補として連立与党「ANO2011」が指名した財務省のアレーナ・シレロバ次官を却下した。シレロバ氏がバビシュ氏の側近であることが理由。ロイター通信が15日伝えた。
ソボトカ首相はかねて、ANOの党首でもあるバビシュ財務相と対立していたが、バビシュ氏の税金問題などの解明が長期化する中、同氏を閣内から外す意向を固めた。バビシュ氏は疑惑については否定しているものの、自身の後任をANOから選ぶことを条件に、退陣を承諾した。バビシュ氏はシレロバ氏の擁立が否定されたことを受け、今週中にも新たな候補者を指名する考えだ。
チェコでは、10月20~21日に下院(定数200)選挙が予定されている。ソボトカ首相は先に、総選挙を前に、内閣総辞職に踏み切り、バビシュ氏を外した上で自ら率いる与党・チェコ社会民主党(CSSD)と、ANOおよびキリスト教民主連合の3党での再組閣を計画していたが、自身の決定が個人的な動機によるものと受け取られかねないとしてこれを見送り、バビシュ氏のみを解任する方針に転じた。
バビシュ財務相は農業化学をはじめ新聞やラジオも手掛けるアグロフェルト(Agrofert)・グループを保有。免税公債の利用や自身の会社に対する欧州連合(EU)からの補助金の正当性などが問題視されている。
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