ノルウェー政府は8日、シカ科動物の伝達性海綿状脳症(TSE)である慢性消耗病(CWD)の拡大を予防するため、トナカイ約2,000頭を殺処分することを決定した。AFP通信が伝えた。
TSEは「異常型プリオン」が病原体とされ、感染すると脳がスポンジ状になり、体重が減少したり、死に至ることもある。1967年に米国コロラド州で初めて確認され、これまでに米国、カナダ及び韓国で発生しているが、欧州では昨年ノルウェーで初めて感染が確認された。ヒトへの感染報告例はない。
殺処分となるのは、感染した個体が発見された南西部ノールフィエラ(Nordfjella)山岳地帯に生息する2,000~2,200頭。ノルウェー農業・食料省によると、この群れは同国に生息する野生トナカイの6%にあたる。2018年5月1日までに全頭を処分するという。
北欧諸国では、トナカイ肉は食用として人気があり、特にクリスマスの家庭料理によく用いられる。
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