仏シャンパン大手テタンジェ(Taittinger)が、英国でスパークリングワインの生産を開始する。同社はこのほど英イングランド南部ケント州でブドウの作付けを開始。ワイン人気の高まる英国で、初の国外生産に乗り出した。ガーディアンが8日伝えた。
ブドウの栽培地に選ばれたのは、イングランド南東部ケント州チラハム(Chilham)の農地。海抜が低く南向きで風当たりが弱く、土壌が石灰質である点が、同社の条件に最も合致していた。栽培地の候補には、南部のサセックス州やハンプシャー州も挙がっていた。
同社はまず20ヘクタールにシャルドネ、ピノノワール、ピノムニエの3品種を作付け。向こう2、3年に作付面積を約40ヘクタールに拡大し、最終的に年間30万本のスパークリングワインを生産する計画だ。2023年の初出荷を予定している。
英国では近年、ワイン需要の高まりを背景に国産ワインの生産が活発化している。テタンジェのピエールエマニュエル・テタンジェ社長は「英国産スパークリングワインの品質には深く感心している」とコメント。「ケント州の農地の特質はシャンパーニュ地方と極めて似ており、現地生産は当社にとって自然な一歩」と話している。
テタンジェは仏北部ランス(Reims)にある1734年創業の老舗ワイン農園で、シャンパンの「コント・ド・シャンパーニュ(Compte de Champagne)」で知られる。
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