マルタのジョゼフ・ムスカット首相は1日、議会を即時解散し、6月3日に前倒し総選挙を実施する方針を示した。妻がパナマにオフショア会社を所有しているとされる問題をめぐるもので、自身の任期より約1年早めた格好。大統領府が明らかにした。
一連の疑惑は、「パナマ文書」に記載された情報に基づくブロガーの指摘で発覚。ムスカット首相と妻ミシェル氏は疑惑を否定しているが、野党は首相に対して辞職を求めていた。
ムスカット首相は、「ここ数日の、私と私の家族に対する批判は周知の通りだ。真実は私側にあり、潔白なので、何も恐れてはいない」と主張。ただし、首相としての自らの責務は、自身ではなく国を守ることであるとして、マリールイーズ・コレイロ・プレカ大統領に議会の解散を求め、認められたことを明らかにした。
ムスカット首相は、2013年に多大な支持を得て就任。失業率の改善や財政黒字化、経済成長率3.5%超の実現などを達成している。先に行われた新聞2紙の世論調査では、与党・労働党への支持率が野党・国民党を4ポイント上回っている。
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