欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは26日、2016年の難民庇護(ひご)申請に対する認定件数が71万395件に達し、前年から倍超に増加したと発表した。シリアやイラクなど紛争国から逃れてきた人々が多くを占めた。
EU加盟国28カ国のうち、難民庇護申請の認定件数が最多となったのはドイツで44万5,210件と、1年前から3倍に増えた。次いでスウェーデンが約2倍の6万9,350件、イタリアの3万5,450件(20%増)となった。なお、英国は1万7,080件を認めた。
庇護申請が認められた難民の出身国別に見ると、最多はシリアで40万5,620人となり全体の57%を占めた。これにイランの6万5,765人(9%)、アフガニスタンの6万1,820人(9%)が続いた。なお、シリア出身の申請者のうち70%以上の29万4,700人がドイツで許可されている。
欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)によると、EU加盟国に流入する難民の数は2015年から2年連続で減少しているという。庇護申請の認定件数の増加は、審査に時間がかかるため、2016年以前に提出された庇護申請がようやく受理されたことも一因ではないかとしている。
しかし、EU諸国での難民に対する風当たりは強まっている。オーストリアは2017年の難民受け入れ人数を3万5,000人に限定し、かつ自主的な国外退去難民には給付金を倍額支給するとしている。また、ハンガリーでは難民を国境に並べた貨物コンテナに収容するなどの強硬措置をとっている。
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