トルコで4月16日に行われる改憲の是非を問う国民投票で、過半数が改憲に賛成するもようだ。同国の世論調査機関2社による事前調査で、このような結果が明らかになった。ロイター通信が伝えた。
ANARが4月5~10日に4,000人を対象に行った調査では、52%が改憲に賛成すると回答。3月の前回調査から2ポイント上昇した。一方、コンセンサス(Konsensus)は4月2~8日に2,000人を調査。こちらでも、51.2%が賛成票を投じると答え、半数を超えた。これらの調査は国内を対象としているが、ANARは在外トルコ人の票を合わせるとこの比率はさらに高まるとの見方を示している。なお、在外投票は9日に終了している。
全18項目から成る改憲案は、これまで象徴的な地位にとどまっていた大統領に閣僚や高官の任命、大統領令の発布、非常事態宣言発動の是非の判断などの権限を与えるもの。現在の首相職は、1人か複数の副大統領が引き受ける計画で、副大統領の任命も大統領が担う。また、改憲後は大統領の任期を5年で最大2期とするほか、大統領が政党のトップになることも認める。新憲法下での最初の大統領選は2019年11月初めに実施される予定で、これによりエルドアン大統領は、再び与党・公正発展党(AKP)を率いるとともに、2029年まで大統領の座にとどまることが可能となる。
AKPは改憲案について、イスラム過激派やクルド系武装組織などに対抗するためには強い大統領権限が必要だと主張。これに対し、最大野党の共和人民党(CHP)やトルコからの分離独立を目指すクルド人武装組織「クルド労働者党(PKK)」、欧州連合(EU)は民主主義の後退や独裁化を招くとの懸念を示している。
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