アムステルダム観光名物の「ビールバイク」が、市中心部で11月1日から禁止される。住民の苦情を受け、本来は1月から禁止の予定だったが、裁判所の判決で延期を余儀なくされていた。ファンデルラーン市長が議会に宛てた文書を元に、現地紙ヘット・パロールが10日伝えた。
アムステルダム市は昨年、中心部の繁華街ハールレンメル(Haarlemmerbuurt)と運河沿いの地区でビールバイクを禁止すると発表した。だが、ビールバイクの運営業者がアムステルダム裁判所に提訴。裁判では、市長と議員から成る協議会が決定に関与したかが不透明である上、運営業者への影響を考慮していないとして、この決定を覆した。
裁判所は、運営業者の車庫が中心部にあることから、市に中心部と禁止が適用されない地域間でビールバイク用の通路を設けるよう命令。ファンデルラーン市長はそのような通路の設置自体が交通渋滞の原因になると指摘し、運営業者に別の倉庫を確保する時間を与えることで妥協した。
ビールバイクは、バーカウンターの周囲に座席を配置した屋根付きの大型自転車。搭乗した観光客にビールを振る舞いながら、アムステルダム市内を巡回するツアーが組まれている。市当局にはかねて、利用者による騒音やごみの投げ捨てなどへの苦情、交通安全を懸念する声、観光よりも宴会を目的とする観光客を呼び寄せているだけとの批判が寄せられていた。
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