英国で初めて、イスラム金融のルールにのっとったフィンテック(金融とITの融合)企業が当局の認可を受けた。欧州連合(EU)離脱を決めた英国は、フィンテックとイスラム金融で世界の中心となることを目指している。ロイター通信が10日伝えた。
金融行為規制機構(FCA)は、不動産投資ファンドのイールダーズ(Yielders)に金融事業免許を付与した。同社はクラウドファンディングを利用して不動産投資を行うスタートアップで、顧客は1口100ポンドから投資できる。英イスラム金融評議会は同社を、借金や投機を禁じたシャリーア(イスラム法)に基づく事業として承認している。
イールダーズの創設者であるイフラン・カーン氏は、「英政府は、中東以外では英国がイスラム金融のフィンテックの首都だと確信している」とコメント。「英国にはイスラム系フィンテックを振興する動きが確実にあり、英国のフィンテック企業側にも中東市場へのルートを示そうとする動きがある」と話す。
ロンドンはかねてイスラム金融市場の有望性に着目しており、2014年にはロンドン証券取引所でイスラム債(スクーク)が上場されている。英国には銀行業免許を取得して営業するイスラム系金融機関が既に複数あるほか、HSBCやバークレイズ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)などの大手行がイスラム教徒向けの金融サービスを提供している。英中銀イングランド銀行は先に、イスラム系の銀行向けにシャリーアにのっとった流動性ツールを開発する方針を示している。
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