アルメニアで2日、議会選挙が行われ、サルキシャン大統領率いる与党・アルメニア共和党が得票率49.12%で勝利した。ただ、野党は選挙違反があったと主張している。ロイター通信などが伝えた。
それによると、元アームレスリング選手の富豪ガギク・ツァルキアン氏が率いる野党連合の得票率は27.32%。アルメニア革命連盟(ARF)は6.57%だった。
中央選挙委員会は今回の選挙について、全2,009カ所の投票所の結果を反映していると説明。欧州安全保障協力機構(OSCE)は「全体として、基本的な自由は尊重されていた」と評価した。一方で、「票買い」や特定の政党に票を投じるよう圧力を掛ける動きが見られたと指摘した。
ツァルキアン氏は公共料金引き下げや公務員給与の引き上げを訴え、与党に対抗していた。アルメニア共和党も同氏が党首を務める「繁栄のアルメニア」党も外交上はロシア寄り。アルメニアは隣国アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州をめぐる領土問題を抱え、トルコの支援を受けるアゼルバイジャンと対抗する上でロシアの支持を必要としている。
今回の選挙は、2015年の憲法改正により大統領制から議会制に変更されてから初めての総選挙となる。憲法改正の背景には、サルキシャン大統領が2018年の任期終了後も首相として影響力を維持する思惑があるとの批判もある。アルメニアでは昨年、サルキシャン大統領の辞任を求める反体制派の武装集団が警察施設を占拠する事件が起きている。
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