英国人のスペイン帰化申請が急増している――。英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けた動き。政府機関セルバンテス文化センターの発表を元に、ザ・ローカルが3月30日伝えた。
同センターによると、今年の第1四半期(1~3月)の英国人によるスペインの市民権の申請件数は111件と、前年同期の28件から4倍に膨らんだ。ただ、スペイン市民権の獲得を望んでいる英国人の多くは、スペインが原則的に二重国籍を認めていないことから、これを見送っているとされる。英国人ジャーナリストらは昨年7月、ブレグジットを見据え、スペイン政府に二重国籍を容認するよう請求する署名活動を開始。これまでに、2万人近くの署名を集めている。
公式統計では、永住者登録をしている英国人数は30万8,821人、スペイン国内に不動産を所有しており不定期で同国に居住している英国人数は11万373人だが、実際にスペインに居住している英国人はこれを大きく上回るとみられている。
なお、スペインでは2015年10月、市民権獲得を希望する外国人に対する試験が導入された。以前は10年以上の合法的な滞在歴があれば資格を得られたが、現在は、語学力や、スペインの政治や文化、社会などに関する知識で一定水準を満たす必要がある。
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