欧州連合(EU)の欧州対外行動局(EEAS)は22日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」などのテロ組織撲滅に向けた域外での取り組みをまとめたファクトシートを公表した。中東・北アフリカ諸国を中心にテロ対策プロジェクトを実施するほか、イラクの安定化やシリアの内戦終結に努めるなど、テロの根源を断つことを目指す。
EEASは国連や、世界29カ国とEUから成るグローバル・テロ対策フォーラム(GCTF)、グローバル・ダーイシュ(Daesh、アラビア語でISの意)対策連合などと共に、テロリストの拡散防止やISから解放された地域の安定化、ISの資金源根絶および宣伝防止に取り組む。中でも武装過激派対策に向けては3億ユーロの資金を確保し、中東・北アフリカ諸国に加え、西バルカン、トルコ、中央アジア、パキスタンで各種プロジェクトを進めている。
加えてイラクでは、地雷の除去やイタリア警察によるイラク警察の訓練、現地の各種治安当局間の連携強化に取り組むほか、国内難民支援やコミュニティー間の和解、戦争被害者への人道援助にも注力。2017年のイラクへの支援額は総額2億1,100万ユーロを上回る見通しという。また、シリアではこれまでに9億3,000万ユーロを投じて国内難民支援や人道援助を行っているほか、公共サービスの支援や人権問題、内戦終結に向けた和解交渉にも取り組んでいる。
EEASは「長期的にISと闘うためには、テロの拡散を促す政治的、社会経済的な根本的原因に対処する必要がある」と訴えている。
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