イタリアで、欧州連合(EU)懐疑派の新興政党「五つ星運動」が勢力を拡大している。直近の支持率は32.3%と過去最高に達し、2位の与党・民主党に5.5ポイントの差を付けた。伊紙コリエーレ・デラ・セラが21日、調査会社イプソスに委託した最新調査の結果として明らかにした。
レンツィ前首相は2月下旬、民主党内の分裂を防げず、新たに党首選を行うことで党をまとめ直すとして書記長(党首)を辞任。この内紛が響き、民主党の支持率は1カ月間で3ポイント余り低下している。一方、同党を離党した左派の造反議員らが立ち上げた新政党「進歩民主運動」は3.3%にとどまった。中道右派のフォルツァ・イタリアは12.7%、移民や欧州単一通貨ユーロに反対する北部同盟は12.8%だった。
2018年初めに予定される総選挙で民主党が政権を維持できるかについて、市場では懐疑的な見方が広がっている。「五つ星運動」は第1党に浮上する可能性が高いが、他党と連立を組むことを拒否しており、政権樹立の道のりは険しそうだ。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。