パリのオルリー空港で18日午前8時半ごろ(現地時間)、フランス国籍の男(39)が南ターミナルで巡回中の女性兵士の自動小銃を奪い、この兵士の頭に銃を突き付ける事件が発生した。犯人は「アラーのために死ぬ」と叫び、現場で他の兵士2人に撃たれ死亡。一般人にけがはなかった。警察はテロの可能性を含めて捜査を進めている。
ジエド・ベン・ベルガセム容疑者はこれに先立つ午前6時50分ごろ、パリ北郊ガルジュレゴネス(Garges-les-Gonesse)で警官に発砲。その後、パリ南郊ビトリーシュルセーヌ(Vitry-sur-Seine)で車両を強奪して空港に向かった。事件後には空港から約3,000人が避難。南ターミナルは閉鎖され、特殊部隊が空港全体の安全点検に追われた。仏内務省によると、ターミナルの運営は昼すぎに、空の便は午後3時ごろにそれぞれ再開した。
ベルガセム容疑者は武器強奪や薬物使用などの前科があり、服役中に過激思想の影響を受けたとみられ、当局の監視リストに入っていた。遺体からはコーランと石油缶が見つかり、家宅捜索ではコカイン使用の痕跡が発見された。ただ、イスラム過激派への傾倒を示すものはなかったという。
当局は父親など親族の身柄を拘束。父親は19日に釈放され、ラジオ局の取材に対し「息子は信仰心などなく、薬物と飲酒が原因」と話している。
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