スイス北東部ザンクトガレン州は、フルムザーベルク(Flumserberg)にあるスキーリゾートの一角に『アルプスの少女ハイジ』のテーマパーク建設を計画している。総投資額は1億スイスフラン(9,800万ドル)で、2020年のオープンを目指す。同州の広報担当者の話を元に、ザ・ローカルが6日伝えた。
バレン湖を臨む景勝地フルムザーベルグは、チューリヒの南東約100キロメートルに位置する。ヨハンナ・シュピリ原作の小説の舞台となったグラウビュンデン州マイエンフェルト(Maienfeld)からは30キロメートルほどチューリヒ寄りとなる。テーマパークへの拠点となるタネンボーデン(Tannenboden)村は再開発される計画で、新たなケーブルカーや地下駐車場、ホテルなどが建設される。
テーマパークでは、19世紀のアルプスの村を再現。小説の登場人物に扮(ふん)した俳優らの案内で、ヤギの搾乳や木工工作などハイジの世界を体験することができるほか、ハイジが女中として訪れたフランクフルトでの生活をテーマとした施設も備える。完成すると、マイエンフェルトの「ハイジの村(Heididorf)」を中心とする「ハイジ観光」を補完することが可能とみる。
ザンクトガレン州は近年、通貨スイスフラン高でドイツからの観光客数が落ち込んでいるほか、国内旅行者も減少傾向にある。ハイジの村への訪問客数は年間約15万人。テーマパークは年間20万人の来客を見込んでおり、実現すると、ハイジ観光は現在の2倍以上の規模に膨らむ格好だ。
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