スコッチウイスキーのシングルモルトの輸出高は2016年に10億2,000万ポンドとなり、初めて10億ポンドの大台を突破した。高級市場を狙った売り込みが奏功し、前年から9.6%増加している。英歳入関税庁(HMRC)のデータを元に、BBC電子版などが20日伝えた。
シングルモルトは、1カ所の蒸留所のモルト・ウイスキーだけで造られた製品で、オーク樽で最低3年以上熟成させたものを指す。スコッチウイスキー全体の輸出量の10%弱を占め、昨年はシングルモルトの生産量の93%が輸出に充てられた。
シングルモルトは2014~2015年、中国でぜいたく品の贈答を禁じる「倹約令」が発令されたことや、主力市場のベネズエラやブラジルの景気低迷を受け需要が低迷していた。
スコッチウイスキー全体の昨年の輸出高は、前年比4%増の39億9,900万ポンド。うち最大の輸出先である米国は8億5,400万ポンドと14%増加した。フランス(4億2,400万ポンド)のほか、東南アジアへの輸出ハブとしてのシンガポール(2億2,400万ポンド)、インド(9,600万ポンド)でも需要は旺盛だった。なお、ウイスキー投資会社ウイスキー・インベスト・ダイレクトによると、昨年後半の輸出高の伸びは、通貨ポンド安が追い風になったと分析している。
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