ブダペスト市が2024年夏季オリンピック(五輪)の招致から撤退する可能性が高まっている。反対派が27万人近くの署名を集めたためで、撤退が決まった場合、招致レースに残るのはパリと米ロサンゼルスのみになる。ロイター通信などが伝えた。
ブダペストのタルローシュ市長によると、議会は22日に撤退の是非を審議する予定で、23日にもオルバン首相と会談して決断を下す方針とみられる。若者の反五輪団体「モメンタム」は17日までに26万6,151人分の反対署名を集めており、これは住民投票実施に必要な数の2倍弱に当たる。住民投票で反対票が上回れば、五輪開催を目標としてきたオルバン首相にとって痛手となるほか、政党の結成を目指すモメンタムには追い風が吹く格好となる。
国際オリンピック委員会(IOC)は、9月に2024年の開催地を発表する予定。ブダペスト市はかねて2028年夏季五輪開催地への立候補を検討していたが、4年前倒しで招致に乗り出した。中東欧初の開催国を目指していたものの、巨額の五輪開催費が社会保障に及ぼす影響への懸念を背景に、国民の間で反対意見が拡大している。2024年五輪をめぐっては、これまでにローマ、独ハンブルク、米ボストンが立候補を取りやめている。
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