地球温暖化がこのまま進むと、アルプス山脈の雪が、22世紀までに最大70%が消失する――。スイス雪・雪崩研究所(SLF)が16日公表した研究で、こうした可能性が明らかになった。
同研究は、SLFとスイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究員がまとめたもの。今後、温室効果ガスの排出量削減に失敗した場合、降水量は増加するものの、雪よりも雨となるケースが増え、2100年までに標高3,000メートル地点の積雪量は半減する見込みという。また、スキーなどのウィンタースポーツを楽しむための積雪量が確保できるのは標高2,500メートル以上のみとなり、アルプス山脈の雪が現在と比べ7割が失われる見通しだ。
一方、温室効果ガスの排出量削減などを通して、産業革命以前と比べた世界の気温の上昇幅を2度未満に抑えることができた場合、アルプス山脈の雪の消失量は3割程度に抑えることができるとしている。
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の第21回締約国会議(COP21)は2015年、2020年以降の温暖化ガス削減の世界的な枠組みとなる「パリ協定」を採択した。同協定には、世界の気温の上昇幅を2度未満に抑えるとする従来目標を強化し、1.5度に近付ける努力をするとの指針が盛り込まれている。[環境ニュース]
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