欧州連合(EU)加盟28カ国、欧州議会、および欧州委員会は、域内を旅行するEU市民が自国以外でもオンラインコンテンツに等しくアクセスできるようにする、新たなルールを導入することで合意した。欧州委は2015年3月、デジタル単一市場戦略の大枠を示し、電子商取引(eコマース)やオンライン・サービスのボーダーレス化などに取り組む方針を示した。今回の合意内容は、その一環として同年12月に提案されたもの。
合意文書は今後、欧州議会とEU閣僚理事会に諮られる。承認が得られれば、2018年初めにも施行される見通しで、EU市民は旅行先の他の加盟国からも、映画やスポーツ中継、電子書籍、ビデオゲーム、音楽配信サービスを自国にいる時と同じように楽しめるようになる。
新ルールには、米動画配信大手ネットフリックス、デジタル音楽配信事業を展開するスポッティファイ(スウェーデン)など、有料コンテンツを扱う全ての業者が従う必要がある。また、無料サービスについても国境を越えたアクセスが広がる可能性が出てきた。
欧州委によると、ゲーム、画像、映画、音楽などのオンライン配信を利用しているEU市民は2016年に64%に上り、特に携帯端末を通じた利用が広がっている。
デジタル単一市場戦略をめぐっては、欧州議会と加盟各国および欧州委が2月初め、EU域内の国際ローミング料金を6月15日付で廃止する計画に向け、最後の障害となっていたネットワーク卸売料金の上限設定問題で合意した。欧州議会とEU閣僚理事会が承認すれば、10年にわたり協議してきた国際ローミングの無料化が実現する見通しだ。[EU規制]
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