バルセロナ市議会は、市中心部でのホテルの新設を全面的に禁じ、市内全体で宿泊施設の開業を厳しく制限する条例を可決した。観光客の急増に歯止めをかける狙い。AFP通信などが伝えた。
バルセロナは過去25年余りにわたり大々的な観光キャンペーンを展開してきた結果、今では人口160万人をはるかに上回る年間約3,000万人以上の観光客が押し寄せるようになった。しかし市街地の混雑や不動産価格の高騰に対する住民の不満が高まったため、左派のアダ・コラウ市長の下、昨年3月からホテル規制の議論を進めていた。
新条例では市を4地区に分け、それぞれにルールを規定。歴史建造物の残る1つ目の地区では、既存の宿泊施設の建て替えを禁じることで「自然減」を図る考えだ。市の周縁部ではホテルの新設を認めるが、新規の収容能力を市内全体で1万1,000人に抑える方針。ただ、既に進行中のプロジェクトも多数あり、条例の影響は2019年までない。
もっとも、バルセロナの来訪者の約4分の3は日帰り旅行者であるため、観光業界は「規制の矛先が間違っている」と批判している。
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