ノルウェーで11日、FMラジオ放送の停波が始まった。全面的にデジタルラジオ放送(DAB)に切り替える方針で、世界初の取り組み。低コストなどのメリットがあり、今後は他国にもこうした動きが広がりそうだ。BBC電子版などが伝えた。
FM放送の終了は午前11時11分(現地時間)に中部ボードー(Bodo)で始まり、年内を通じて順次全国に適用される。DABは、品質面やカバー範囲で優れているほか、コストが約8分の1に抑えられるという。
ただ、昨年12月に現地紙ダグブラデットが実施した世論調査によると、ノルウェー国民の6割超が政府の決定は拙速だと回答。お年寄りやドライバーへの影響を懸念する声が上がっているほか、機器の更新を余儀なくされることへの批判が大きい。また、米国で1930年代に発明されたFMラジオは、今なお中高年世代を中心に支持を集めており、懐古的な情も根強いようだ。
欧州では、英国やスイス、デンマークも類似の施策を検討しており、ノルウェーの取り組みに注目が集まっている。
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