欧州連合(EU)から昨年、トルコに送還されたシリア難民数は801人だった。一方、トルコから受け入れたシリア難民数は2,672人に上り、うち1,000人以上がドイツに定住している。独日曜紙ウェルト・アム・ゾンタークが8日伝えた。
EUとトルコは昨年3月、トルコ経由でギリシャに到着した移民のうち、難民申請資格がないと判断された全員をトルコに送り返すことなどで合意。送還の大部分は、合意後2カ月間に実施された。一方、EUはトルコで暮らす難民認定を受けたシリア人を受け入れ、定住させることを決めた。この取り決めでは、流出入を均衡化する狙いがあったが、受け入れが送還を大きく上回った格好だ。
ただ、EUとトルコの措置は実を結び、欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)によると、昨年、東地中海ルートでギリシャに上陸した難民数は18万2,500人と、前年から79%減少した。北アフリカからイタリアへと渡る中部地中海ルートで流入した難民数は18万1,000人と20%増えたものの、地中海経由全体で、前年の約3分の1に縮小することに成功した。
なお、ドイツでは2015年に100万人近くの難民が流入したが、昨年の流入数は32万人超に減少した。ドイツ内務省によると、昨年拘束した密入国の斡旋(あっせん)業者数は11月末時点で906人と、前年の3,370人から大幅に減少。うち過半数はオーストリア国境付近で取り押さえたとしている。
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