2016年に地中海経由で欧州に流入した難民の数が36万4,000人となり、前年の約3分の1に減少していたことが、欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)が6日公表した統計速報から明らかになった。欧州連合(EU)とトルコが交わした取り決めの効果で、ギリシャに到着する難民数が8割近く減ったことが大きい。ただ、北アフリカからイタリアへと渡る難民数は引き続き増加している。
昨年は、東地中海ルートでギリシャ本土やエーゲ海東部の島々に上陸した難民数が18万2,500人となり、前年から79%減った。EUとトルコが3月に交わした取り決めにより、両国間の国境警備が強化されるとともに、トルコがギリシャからの難民送還を受け入れたことが背景にある。ギリシャに到着した難民の多くは、シリア、アフガニスタン、イラクの出身だった。
一方、中部地中海ルートでイタリアに流入した難民数は18万1,000人と、前年比約20%増加して過去最高水準に達した。西アフリカ諸国からの難民流入が拡大したことが大きく、中でもナイジェリア出身者が最も多かった。これにエリトリア、ギニア、コートジボワール、ガンビアが続く。
なお、西バルカン諸国も国境警備を強化したことから、このルートでの流入数も前年の76万4,000人から12万3,000人へと激減している。
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