スイス傷害保険基金(SUVA)は、米配車サービス大手ウーバー(Uber)の運転手を自営業者ではなく従業員と認定し、従業員に対する労働災害保険への加入と保険料支払いが義務付けられるとの判断を下した。ロイター通信などが5日伝えた。
SUVAは運転手を従業員と認めた理由として、運転手がウーバーの規定を破った場合に受ける影響、独自に料金や支払い条件を設定できないことを挙げている。ただしSUVAの広報担当者は、今回の問題は特定の運転手に関するものでウーバーのビジネスモデル全般に対する判断ではないと説明している。
これに対してウーバーは、同社のスイス進出以前から、SUVAが他のタクシー配車サービス会社の運転手を従業員と認定していたが、各社はいまだに運転手を従業員として扱っていないと指摘。「スイスでは目新しいことではなく、他社と同様に異議を申し立てる」と述べている。
ウーバーは英国でも同様の問題を抱える。ロンドンの雇用審判所は昨年10月、同社の運転手が従業員としての待遇を求めていた問題で、運転手の訴えを認める判断を下している。しかしウーバーはこれまで一貫して、運転手は自営業者として契約し、自由で柔軟性のある働き方を享受していると主張している。[労務]
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