トルコのイスタンブールで20日、ボスポラス海峡のアジア側と欧州側を結ぶ海底道路トンネル「ユーラシア・トンネル」が開通した。同海峡の両岸は既に鉄道専用トンネルと3本の橋で結ばれているが、自動車用トンネルはこれが初めて。全長5.4キロのトンネル開通により市内の渋滞緩和が期待されている。
トンネル建設は2008年、韓国のSK建設と地場のヤピ・メルケジ(Yapi Merkezi)の合弁会社がBOT(建設・運営・譲渡)方式で受注し、2011年に着工した。投資総額は約12億ドルで、うち9億6,000万ドルを欧州復興開発銀行(EBRD)や欧州投資銀行(EIB)、韓国輸出入銀行などによる国際融資で賄い、残りをSKとヤピが拠出している。トンネルの運営は両社の合弁が向こう24年5カ月にわたり手掛け、その後はトルコ政府に運営権を譲渡する。
同トンネルでは、1日12万台の車両通行が予想されている。通行料は乗用車が15トルコリラ(4.23ドル)、ミニバスが22.5トルコリラで、二輪車や大型車は通行を禁止されている。トルコ政府は年間1億8,000万トルコリラの通行料収入を見込んでいる。
この日の「ユーラシア・トンネル」開通式典には、エルドアン大統領も出席した。トルコではこの前日、ロシアの駐トルコ大使が暗殺される事件が起きたばかりだが、同大統領は「式典決行はテロリズムへの回答だ」とコメント。「われわれの予定をテロに支配させるわけにはいかない」と話した。
なお、ボスポラス海峡では2013年、大成建設が手掛けた総工費40億ドルの鉄道専用トンネルが開通し、史上初めて両岸がトンネルで結ばれた。また、今年8月には3本目のつり橋となる自動車・鉄道両用の「ヤウズ・スルタン・セリム橋」が開通している。
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