ウィーン国立歌劇場は21日、2020年からの新たな総裁にソニー・ミュージックエンタテイメントのクラシック部門を率いるボグダン・ロシチッチ氏(52)が指名されたと発表した。任期は5年間。民間企業で培った手腕を発揮し、伝統ある音楽の都に若者を呼び込むことが期待されている。
ロシチッチ氏はセルビア生まれオーストリア育ち。オーストリアのラジオ局や英国のデッカ・ミュージック・グループのトップを歴任し、2009年に現職に就いた。これまでに歌劇場を運営した経験はない。同氏は、「人生で最も重要な決断だ。われわれ自身の観衆を生み出せるよう、毎晩の公演のクオリティーを引き上げる」と意気込みを語った。
ウィーン国立歌劇場の総裁人事は国の直轄。この日に人事を発表したトーマス・ドゥロツダ芸術・文化・憲法・メディア相は歌劇場の運営について、「これまでの形式は意味を失いつつあり、人々の時間やお金の使い道として選ばれるためかつてない競争に直面している」と述べた。
2010年に就任したドミニク・マイヤー現総裁は、スター指揮者のフランツ・ウェルザーメスト氏やベルトラン・ドビリー氏と衝突していた。[労務]
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