英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は19日、クリスマスとボクシングデーに計画されている客室乗務員によるストライキについて、もしストが決行された場合も全便を通常通り運航する予定だと発表した。これとは別に、23日から48時間のストを予定している国内空港の地上職スタッフも、雇用主であるスイスポートインターナショナルと20日に協議の場を設ける。
BAのストは、長距離便と短距離便の両方での乗務を担う雇用契約の客室乗務員の賃上げをめぐるもので、最大4,500人が参加する見通し。19日にはスト回避に向けた労使交渉の場が設けられた。ただ、会社側は週末にかけて緊急時の対応計画を見直し、全便運航のめどがついた。アレックス・クルーズ最高経営責任者(CEO)は、「数多くの顧客のクリスマスを台無しにする今回の試みは失敗すると確信している」とコメントした。
国内空港の地上職スタッフ1,500人超は賃金や労働条件をめぐり、3年間にわたり協議を続けている。最大労組ユナイトは、「はっきりとした良い進展があった」とし、「議論の解決に向けて会社側が交渉の席に着くことは喜ばしい」と述べた。ストが決行された場合、何カ所の空港が影響を受けるかは明らかになっていない。空港地上業務の受託サービスで世界最大手のスイスポートは、ヒースローやスタンステッド、エディンバラ、マンチェスター、リバプールなど国内18空港で業務を請け負っている。ヒースロー空港の広報担当者はストについて、「乗客への影響は小さい」と説明した。
■鉄道や郵便局もスト
英国ではクリスマス休暇を前に、ロンドン市内とガトウィック空港を結ぶ鉄道サザン・レールウェイや郵便大手ロイヤル・メール傘下のポスト・オフィスなどのストが相次いでいる。
サザンの警備員が所属する運輸関係労働組合(RMT)は19日に48時間ストに突入。鉄道運転士労組ASLEFも先に、合わせて3日間のストを決行し、この際は全路線が運行停止に追い込まれた。サザンではこのほか、12月31日~2017年1月2日と1月9日、14日にもストが計画されている。
ポスト・オフィスも19日、年金制度の変更や店舗閉鎖などへの抗議として2日間のストを開始。国内300カ所の直営支店のうち、商店街の50店舗が閉鎖され、営業している店舗でもサービス縮小などの影響が出ている。21~22日には配達ドライバーもストに参加する見通しだ。[労務]
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