スイス政府と日本政府は9日、税務行政執行共助条約に基づき両国の金融機関にある口座情報を自動的に交換すると発表した。2017年以後の課税期間に関する金融口座の情報について、2018年から開始する。これにより国際的な脱税や租税回避を防ぐ。
スイスの銀行は厳格な守秘義務で知られ国外の富裕層などから資産を集めてきたが、脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)を助長しているとの批判の高まりからスイスは規制の強化に着手。経済協力開発機構(OECD)が策定した国際的な情報交換の枠組みに基づいて、各国と金融口座情報の自動交換に向けた協定締結を進めている。
すでに欧州連合(EU)加盟28カ国、英領ジブラルタル、オーストラリアとは来年から開始することを決め、2018年からは日本のほかアイスランド、ノルウェー、カナダ、韓国、英領のジャージー島、ガンジー島、マン島も対象とする。さらに12月初めには、アルゼンチンやブラジル、インド、イスラエル、南アフリカなど21カ国にも広げることを決め、2019年からの情報交換の開始を予定している。
この制度により全銀行は毎年、税務当局に顧客の配当収入や株式売却益なども含めた口座情報を伝え、顧客のうち国外居住者については、この情報が顧客の居住国の税務当局に伝えられることになる。
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