フランスのバルス首相(54)は5日夕、次期大統領選に出馬する意向を表明した。選挙戦に専念するため、首相を辞任する。現職のオランド大統領は先に出馬を断念しているため、与党・社会党の大統領選予備選ではバルス首相とモントブール元産業再生相の首位争いとなる見通し。各紙が伝えた。
支持率低下に悩んでいたオランド大統領が1日、現職大統領としては異例の再選断念を発表したことを受け、バルス首相の出馬がかねて予想されていた。社会党は来年1月、連立相手の緑の党と共に中道左派の大統領選候補者を決める予備選を実施する予定で、バルス氏とモントブール氏など数人が立候補する見通し。
バルス氏は企業寄りの経済政策と移民・安全保障問題への強硬姿勢で知られる。調査機関Ifopが仏日曜紙ジュルナル・デュ・ディマンシュの委託により実施した最新の世論調査によると、左派を自認する有権者の間ではバルス氏の支持率が45%で首位に立ち、左派のモントブール氏の25%を上回っている。やはり予備選への立候補が予想されるアモン元教育相は14%だった。バルス氏とモントブール氏の一騎打ちとなった場合も、バルス氏が51%で優勢だ。
一方、中道右派陣営は11月の予備選で、フィヨン元首相(62)を大統領選候補者に選出。各種世論調査によると、本選ではフィヨン氏と極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首の首位争いになる見通しで、現時点ではバルス首相が本選に出馬しても3番手に甘んじるとみられている。
フランスの大統領選では、第1回投票で過半数を獲得する候補者がいなかった場合、上位2人の決選投票が行われる。第1回投票は来年4月23日、決選投票は5月7日に実施される予定。
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