アイスランド政府が、「アイスランド」の商標権をめぐり、欧州連合(EU)知的財産庁に、英冷凍食品販売会社アイスランド・フーズを提訴した。アイスランド企業が、商品やサービスに自国の名前を使用する権利を保障すべきと主張している。政府声明を元に、BBC電子版などが24日伝えた。
アイスランド・フーズはウェールズに本社を置く。域内で「アイスランド」の商標権を持ち、1970年からブランド名として使用。英国内で800店舗以上の同名スーパーを保有しており、2万3,000人超の従業員を抱えている。また、他のEU加盟国のほか、アイスランドを含む非加盟国でも長年、この名称で事業を展開している。
アイルランド政府は今回、「アイスランドの事業者が欧州全域で、誇りを持ち、かつブランド力の高い自国の名前に関連付けた販売促進ができないことを懸念している」と説明。中でも、小規模企業や成長事業などに不都合をもたらしているとしている。
これに対し、アイスランド・フーズは「46年間にわたりこのブランド名を使用しており、一般にも広く認知されているため、名称絡みで大きな混乱や対立が起こるとは考え難い」とし、応戦する構えを見せた。ただ、アイスランド政府からこの件に関して正式な接触はなかったとし、今後、政府からの働き掛けがあれば、和解に向けた協議を行う用意があるとしている。
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