欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)は16日、10月に北アフリカからイタリアに流入した難民の数が約2万7,500人となり、過去最多を記録したと発表した。前月からは2倍以上に膨らんでいる。1~10月の累計はおよそ15万9,500人と前年同期比13%増えている。
10月に地中海を渡ってイタリアに到着した難民の出身国はナイジェリアとエリトリアが最も多かった。流入が急増した背景には、9月に比べ天候が比較的穏やかだったことや、密航業者が冬本番を前に多くの難民を渡航させようとしたことがある。ただ、海難事故も多発しており、10月は地中海で127人が遺体で収容された。これ以外にも数多くが溺死したとみられている。
一方、欧州連合(EU)とトルコが3月に合意した送還計画やマケドニアの厳格な入国管理の影響で、ギリシャや西バルカン諸国ルートでの流入は減少している。10月に東地中海ルートでギリシャなどに流入した難民は約3,100人と前月から横ばい。年初のペースを大幅に下回っている。同じく西バルカン諸国経由での難民流入数も1,700人と1年前の1%以下まで落ち込んでいる。
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