ブルガリアで13日、大統領選の決選投票が行われ、親露派の野党・社会党が推すラデフ元空軍司令官(53)の当選が確実となった。中道右派の与党「欧州発展のためのブルガリア市民 (GERB)」の候補であるツァチェバ議会議長(58)の敗北を受け、GERBを率いるボリソフ首相は辞任を表明した。BBC電子版などが伝えた。
出口調査によれば得票率はラデフ候補が約58%、ツァチェバ候補が約35%と大差が付いた。国民の間で政府の汚職対策の遅れに対する不満や欧州連合(EU)への失望感、影響力を強めるロシアと疎遠になることへの懸念があった。
ラデフ氏はこれまでもロシアに対するEUの制裁解除を求めてきた経緯があり、EUや北大西洋条約機構(NATO)のメンバーとしての要求に応えながらもロシアとの関係強化を探るという現実的な対応が必要と主張している。ブルガリアの大統領の任期は5年。職務は主に儀式的だが、法案の拒否権や国際条約の締結権限を持つ。
ボリソフ首相は「選挙結果は連立政権がもはや多数派でないことを示している」として、信任が失われたことを辞任の理由としている。ただボリソフ政権に代わる政権の見通しはなく、早ければ来年3月にも総選挙が実施される可能性があるが、総選挙後も複数の政党間での連立協議が長引き不安定な状況が続くとみられている。
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