モルドバで13日、大統領選挙の決選投票が行われ、親露派の野党・社会党を率いるイーゴリ・ドドン候補が勝利した。欧州連合(EU)寄りの政府・与党内の汚職を批判するキャンペーンで、国民の支持をつかんだ格好。
ほぼ開票が終わった段階でドドン氏の得票率は55.3%、親欧派政党「行動と連帯」を率いるマイア・サンドゥ氏は44.7%だった。同国では1996年の直接選挙による大統領選以降、議会を通じた間接選挙が行われてきたため、大統領の直接選挙は20年ぶりだった。
ドドン氏は2006~2009年に共産党政権で経済相を務めたことがある。選挙戦ではロシアとの関係強化と貿易拡大を訴えていた。一方、サンドゥ氏は汚職に対する改革を訴えるとともに、ロシアに対し、モルドバからの独立を主張するトランスドニエストルから数千人の兵士を引き揚げるよう求めていた。
モルドバの大統領の権限は限られており、主な政策はすべて議会の承認を得る必要がある。モルドバ議会(一院制、定数101)では現在、親欧派の政党が過半数を占めるため、今回の選挙結果による大幅な政策の変更はないとみられている。
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