40年以上にわたり分断状態が続く南北キプロスの再統合が、かつてなく実現に近づいている。エスペン・バース・アイデ国連事務局キプロス特別顧問の話として、ロイター通信が1日伝えた。
それによると、キプロス共和国のアナスタシアディス大統領と北キプロス・トルコ共和国のアクンジュ大統領は11月7~11日に、スイスのリゾート地モン・ペルラン(Mont Pelerin)で会談する予定。双方が幅広い自治権を維持しつつ、緩い連邦を形成する案が話し合われるという。会談には国連の潘基文事務総長も出席する予定。キプロス紛争が年内に包括的な政治決着を見る可能性もあるという。
北キプロス・トルコ共和国のアクンジュ大統領は先に、再統合の詳細案がまとまった後、両サイドが1年以内に国民投票を実施する可能性を示唆している。
キプロスは1960年に英国から独立した後、ギリシャ系住民とトルコ系住民の対立が激化。トルコ系の多い北部は1974年に隣国トルコ軍に占領され、1983年に独立を宣言した。ただ、トルコ以外の国からは国家として承認されていない。一方、南のキプロス共和国は2004年に欧州連合(EU)に加盟している。
国際連合が主導する南北キプロスの和平交渉は、キプロス沖の天然ガス資源をめぐる衝突で2014年10月以降行き詰っていたが、昨年の北キプロス大統領選で南北再統合の必要性を訴えるアクンジュ氏が当選したことを受け、再開の運びとなった。なお、南北キプロスは2004年にも国連の仲裁で再統合案をまとめたものの、キプロス共和国内で承認が得られず破談となった経緯がある。
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