パリのセーヌ川を、“空飛ぶ”水上タクシーで移動する日は遠くないかもしれない——。水面から浮いて走る小型船「シーバブル(SeaBubble)」は、来春にも試験運航を開始する計画だ。パリ市内の渋滞を緩和し、環境対策につなげる狙いで、イダルゴ市長の支援も取り付けている。ザ・ローカルが27日伝えた。
泡をイメージした卵型の「シーバブル」は、フランス人ヨットマンのアラン・テボー氏が25年前から開発している。水面に接するのは本体下部にある「マリン・ウィング」と呼ばれる部分のみで、推進力を元に浮力を生み、本体は水面の約70センチ上に浮く仕組み。同じサイズのモーターボートと比べて水の抵抗は40%軽減され、フルスピードで走行しても波が発生せず、河岸を侵食する恐れもないという。電力で駆動するため、大気汚染物質を排出しないのも特長だ。
「シーバブル」は5人乗りで、国や主要都市、企業、個人向けに販売する計画。タクシーのように利用することを視野に入れており、同社は今後、タクシーアプリの開発や船着場の建設にも取り組む方針だ。また、将来的には自動運転を目指すという。
このプロジェクトには、ワイヤレス製品を手掛ける仏パロット(Parrot)や米投資会社パーテック・ベンチャーズ、仏政府系投資機関BPIフランスなどが出資する。[環境ニュース]
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